正念場のNISA! どうなる?ジュニアNISA

マネースクールUNOの岡です。

NISA(少額投資非課税制度)がスタートし、1年が過ぎました。
「貯蓄から投資へ」の流れを推進するべく、昨年1月に鳴り物入りでスタートしたNISAですが、いよいよ正念場を迎えているようです。

日本証券業協会によると、NISAで開設した口座のうち、実際に株式や投資信託などを買った割合は昨年末時点で45.1%。スタートから1年の節目で口座の稼働率は半分に届かず、過半数の約55%が休眠口座となっています。

「証券会社の営業マンに強く勧められたから」
「テレビCMを見て、自分もやらないと損するような気がした」
必ずしも投資に積極的というわけではなく、強い勧誘や付き合いで口座開設したケースも多いのが現状のようです。

ここで、少しおさらいをしておきましょう。
そもそもNISAとはどんな制度なのか?

NISAとは、年間100万円までの投資から生じる譲渡益や配当が5年間非課税となる制度です。(譲渡益や配当に対して、通常20%課税されます)
英国で普及しているIndividual Savings Account (個人貯蓄口座)を参考にしていることから「日本版ISA」と呼ばれていましたが、NIPPONの頭文字Nをとって、愛称NISAと呼ばれるようになりました。

金融庁:NISA(少額投資非課税制度)が始まりました!
http://www.fsa.go.jp/policy/nisa/
このNISAをより使い勝手の良い制度とすべく、継続的に改正が行われてきています。

今年改正された点は、「金融機関の変更」です。
NISA口座は、平成26年から平成35年までの10年間、証券会社や銀行等で開設できますが、この10年間は、

(1)平成26年?平成29年(4年間)
(2)平成30年?平成33年(4年間)
(3)平成34年?平成35年(2年間)

という3つの勘定設定期間に分けられています。
スタート時の制度では、1つの勘定設定期間中は、1人につき1つの金融機関で1つのNISA口座しか開設できないとされていました。
つまり、平成26年にある金融機関でNISA口座を開設したとすると、少なくとも平成29年までの4年間は他の金融機関でNISA口座を開設することは出来なかったのです。

しかし、平成26年度の税制改正によって改善され、平成27年からNISA口座を開く金融機関を毎年変更できるようになりました。

そして来年、さらに2つの点が変更される予定です。
まず一つ目が、投資限度額の引き上げ」です。
現行のNISAの年間投資上限額は100万円ですが、平成28年以降は120万円に引き上げられます。
これは、12ヵ月で割り切れる額にすることで毎月積立でもNISAの非課税枠を使い切りやすくすることを意図した改正と言えます。

そして2つ目が、ジュニアNISAの創設」です。
現在のNISAは20歳以上が対象者ですが、0歳から19歳の居住者もNISA開設が可能になります。

Nisa_3

「金融庁:平成27年度税制改正」をもとに作成

 

Jnisa

「金融庁:平成27年度税制改正」から抜粋

ジュニアNISAの創設は、祖父母や親の世代から子や孫の世代に資産を移転する狙いがあります。
現状、NISAは50代以上の利用額が8割を占め、20代30代の利用は1割に満たないといわれています。
約1600兆円の個人金融資産の過半を60歳以上が持つ日本において、祖父母の世代が孫のためにNISAを活用して資産移転することを促すことが、ジュニアNISA創設の大きな目的になります。
「かわいい孫のために」という目的で世代間の資産移転が始まれば、「貯蓄から投資」への流れが進んでいくかもしれません。

また、「教育資金作り」の方法としてのジュニアNISA活用が考えられます。
教育資金作りの定番は学資保険ですが、現在、日本では年間100万人の新生児が誕生し、学資保険は年間60万件強の新規契約があります。

このUNOのブログで再三お伝えしているように、学資保険は典型的な貯蓄商品、18年間積み立ててもお金は1.1倍程度しか増えません。

では、投資運用した場合はどうでしょうか?
毎月1万円、18年間積み立て投資を行い、5%で運用出来るならば、積み立てた合計216万円のお金を約340万円、約1.6倍にすることが出来ます。
(期間中の運用利率を一定と仮定し、複利計算した場合の計算例です)

この場合、340万円?216万円≒120万円が利益となりますが、20%課税されるので、
120万円×20%=24万円が税金として引かれてしまいます。
でも、ジュニアNISAを利用すれば、この24万円が税金として引かれず、すべて子供の教育資金等に活用できるのです。

ジュニアNISAで、「非課税枠を利用しての投資運用」での教育資金作りが可能なれば、さらに「貯蓄から投資」への流れが加速するのではないかと期待しています。

ただし、一昨年末のように、金融機関が「NISA開設でキャッシュバック」「NISAでポイント還元」などの派手な広告のみに走ってしまえば、ジュニアNISAも成人版NISAと同じように休眠口座ばかりになってしまいます。

NISAをより使い勝手の良い制度にしていく事と同時に、販売者である金融機関も、正しいNISA啓蒙を行ってほしいと思います。

(岡 知宏)

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