「実質賃金」というキーワードに注目!

マネースクールUNOの岡です。

「アベノミクス」 既に耳慣れた言葉になりましたが、安倍首相が進める経済政策のことで、公共事業、大胆な金融緩和、成長戦略の三つを「三本の矢」として実行、日本経済の足を引っ張る「デフレ」から脱出し、経済成長につなげていく計画のことを指します。

アベノミクスに関して賛否両論はありますが、第2次安倍政権が誕生した2012年末に約1万円だった日経平均株価が2年半で2倍に上昇したことを考えれば、一定の評価は得られると思います。

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ただし、国が声高々にアベノミクスと叫んでも、「そんなに景気はよくなっていないのでは?」との声があるのも事実。 その理由の一つに、「なかなか給与が上がってこない」事があります。

昨年に関していえば、大手企業を中心に2%あまりの賃上げがありましたが、物価が約2.9%上昇。 賃金から物価の伸びを引いた実質賃金は1年を通じてマイナスとなりました。

統計上は「給料は確かに上がったけれど、買い物する際の出費は増えてしまう状態」が続いていたのです。 ところが、長らくマイナスが続いていた実質賃金が、ここに来てやっとプラスになってきました!

厚生労働省が6月2日に発表した4月毎月勤労統計調査(速報)では、実質賃金が前年比0.1%増となったのです。 プラスになったのは2013年4月(同0.4%増)以来、実に2年ぶりのこと。

アベノミクスを批判する意見として、「国民の所得は上昇しているかもしれないが、その分物価が上がっている。結果として国民の実質的な所得である『実質賃金』は下がっているから、実質的に国民の購買力が減少し、国民は貧しくなっている」といったものがありますが、このまま実質賃金が上昇すれば、そういった批判も打ち消されます。

「賃金上昇、消費拡大、そして一気に景気回復!」と期待は膨らむのですが、そう簡単にはいかないのも事実。 賃金の伸びが物価上昇を上回ると、消費が回復、企業の生産が増え、雇用や賃金がさらに増えるという「経済の好循環」につながるのですが、この「消費」が思ったほど盛り上がっていないのです。

事実、4月の2人以上世帯の家計調査では、1世帯当たりの消費支出は、実質で前年同月比1.3%減と13カ月連続のマイナス。 中小企業の社員や非正規労働者を中心に、賃上げがなかったり、物価上昇に追いついていなかったりしているのが原因です。

この現状こそが、アベノミクス≠景気回復との感覚につながっていると思います。 とは言え、今年の春闘の賃上げが実際の給料に反映されるのは6月ごろとみられ、夏のボーナスも昨年を上回る見通しで、実質賃金プラスの状況もしばらく続きそう。

「賃金上昇、消費拡大、そして景気回復!」 個人的にはかなり期待しています!

皆さんも経済ニュースを見る時に、「実質賃金」という言葉、注目してみてくださいね。

(岡 知宏)

 

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