駄々っ子でなく大人感覚で消費税について考えてみよう

マネースクールUNOの岡です。

 

11月18日、安倍首相は消費再増税の延期を表明、11月21日にはアベノミクスの「信」を国民
に問うとして、衆議院を解散、総選挙に突入しました。

総選挙の結果がどうあれ、再増税延期に反対している政党がないため、来年10月に予定され
ていた8%から10%への消費税率の再引き上げは、18ヵ月間延期され2017年4月からとなる
見込みです。

そもそも、「消費税」とはなにか?

消費税とは「商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して課税される税金」のこと。

1954年にフランスの財務省の官僚だったモーリス・ローレによって考案され、世界で初めて
導入されました。

日本では、1989年(平成元年)4月、竹下内閣により導入され、当初の税率は3%でした。

5%に引き上げられたのは1997年(平成9年)、既に村山内閣で内定していた地方消費税の
導入と消費税等の税率引き上げ(3%から4%へ→地方消費税を合わせて5%)を橋本内閣が
実施しました。

そして、2014年(平成26年)4月、安倍内閣で消費税率(国・地方)は、8%(うち地方消費税
1.7%)となりました。

 

10%への消費税率引き上げは今回見送られた形ですが、そもそも世界の消費税率はいくら
かなのかを改めて見てみましょう。

 

消費税は、諸外国では「付加価値税」と呼ばれ、100か国以上の国で導入されています。

 

財務省 付加価値税率(標準税率)の国際比較
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/102.htm

Oka

イギリスやフランスの付加価値税率は20%、ドイツは19%、韓国はすでに10%の税率と
なっています。

 

一見すると、日本の8%の税率は低すぎるように感じますが、先進国では食料品などの生活
必需品とそうでない商品とでは、税率を分けて設定しています。

これを「軽減税率」と呼び、自民党も「「関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時
に導入する」として、再増税を予定する2017年度からの導入を目指しています。

 

例えばドイツでは、ハンバーガーを食べる場所により税率が変わり、店内で食べると外食
とみなされ消費税19%がかかるのですが、テイクアウトにすると食料品とみなされ消費税
7%となります。

イギリスでは、食料品や日用の生活必需品、赤ちゃんのおむつ、子ども用の文具・衣料品、
書籍などが、課税の対象外となっています。

 

このように、国ごとに課税品目、軽減税率、また制度自体が大きく異なるため、単純に税率
だけで「10%の税率が高いのか低いのか」を比較できるものではありませんが、今まで
8%だったものが10%になれば経済的な負担は大きくなるし、まして20%になろうものなら、
日本人の感覚からすれば「とんでもない!」と思ってしまいます。

 

ちなみに、付加価値税率25%のデンマークはどんな暮らしをしているのか?

デンマークは、「福祉大国」と呼ばれ、所得税住民税なども約50%かかりますが、その
代わり福祉や教育費に税金が大きくバックされます。

例えば、教育機関の学費は大学まで無料で奨学金付き、医療費は手術代も含めて無料だ
そうです。

高い税金を払う代わりに、返ってくるものも大きいのです。

 

日本の国の借金は約1000兆円、この金額を日本の人口1億2700万人で割れば、国民
1人当たり約817万円の借金を有していることになります。

もし4人家族であれば、その家族は「日本」という国に「約3268万円」のお金を貸しているの
です。

今後も、社会保障費の増加などで国の借金が増えていく傾向は変わっておらず、2014年度
末の借金の総額は11143兆9000億円に達する見通しです。

 

借金が雪だるま式に増えていく日本で、「消費税率アップは仕方ない」と、みなさんも何となく
理解できているはず。

でも、出来れば払いたくないのが税金ですよね。

 

せっかく払った税金。

その税金が、今の、そして未来の日本のために正しく使われていれば、税率が高くなろうが
納得感はあるはずです。

今回の選挙の争点のひとつ「消費税」、駄々っ子のように「消費税アップは嫌だ!」と考える
のではなく、将来の日本のためにも、我々が払った税金の使い道を国民が厳しくチェックする
ことが、最も大切だと思います。
                                           (岡 知宏)