ふるさと納税についてちょっと再考。

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マネースクールUNOの岡です。

「総務省、ふるさと納税返礼に自粛要請」

先日の日経新聞にこんな記事が載っていました。

「個人が故郷や応援したい自治体に寄付する『ふるさと納税』で、総務省が寄付した人に過剰な返礼品を送ることの自粛を求めたのに対し『見直しを行う必要はない』と判断した自治体が27.0%に上った」との記事でした。

そもそも、ふるさと納税とはどんな制度なのでしょうか?

ふるさと納税とは、「納税」とありますが、正確には「寄付」にあたります。

自分で選んだ都道府県や市区町村など地方自治体に対して寄付を行えば、寄付金から2,000円を超える部分について一定限度額まで税額控除される制度。

ざっくり言えば、「好きな地方自治体に寄付をすれば、『(一定条件の中で)寄付金の合計額-2,000円』がキャッシュバックされる制度」と考えてください。

総務省:ふるさと納税ポータルサイトhttp://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html

2009年度から始まった「ふるさと納税」の制度ですが、初年度は約3万人が73億円の寄付を行い、その後、寄付人数も金額も増加してきています。

特に、東日本大震災が発生した翌年の12年度は74万人が649億円の寄付を行いました。

人気化してきている最大の要因は、寄付を受けた自治体から、お礼として特産品等が送られてくる点です。

例えば、「茨城県稲敷市に1万円寄付すると、特別栽培米あきたこまち25㎏」「宮崎県綾町に1万円寄付すると、2.55㎏相当の綾ぶとう豚食べ尽くしセット」「鳥取県に2万円寄付すると、中サイズ400~500g×5の境港産紅ズワイガニ」などなど。

ふるさと納税でもらえる特産品をランキング形式で紹介するサイトもあり、ふるさと納税はちょっとしたブームとなっているのです。

多くの寄付を集めるために返礼品を豪華にする自治体が相次ぐ中で、総務省は寄付である趣旨を踏まえ、返礼品として高額な特産品を送ることなどをやめるように求める通知を4月1日付で各自治体に出していて、それに対する自治体の返答が、「『見直しを行う必要はない』と判断した自治体が27.0%、逆に『返礼品を充実させた(予定を含む)』自治体も10.5%だった」というのが、冒頭の日経新聞の記事になります。

総務省のふるさと納税ポータルには、ふるさと納税の意義について以下のように書かれています。

・第一に、納税者が寄付先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。

それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。

・第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。

それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。

・第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。

それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。

このような崇高な理念があるにもかかわらず、特産品目当てで寄付する多くの日本人やお金集めに競って豪華な特産品をつけようとする自治体の姿勢を見ると、「NISAを開けば○○円キャッシュバック!」といった金融機関の営業姿勢と似ているように感じてしまうのは、私だけでしょうか?

少子高齢化と人口減少が進展する中で、地方が独自に活性化を図る地方創生に向けて、ふるさと納税は有効な制度。

ふるさと納税で特産品をゲットされた方、単なる「お得感」だけでなく、ぜひ地方創生を考えながら特産品を味わってくださいね。

(岡 知宏)

医療費控除でお得をゲット?

マネースクールUNOの岡です。

2014年の「今年の漢字」は「税」。
消費税やNISA(少額投資非課税制度)など、何かと「税」を考えさせられる1年でした。
日本の債務残高が1000兆円を超える中で、税金は「払わなければならないもの」ですが、
出来れば「払いたくないもの」ですよね。
ところが、確定申告で「払った税金が返ってくる」場合があります。

確定申告とは、「1年間(1月1日?12月31日)に所得のあった人が、税金の金額を計算し、
確定申告書を提出して申告・納付すること」で、原則翌年の2月16日?3月15日に行います。

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いわゆるサラリーマンは、年末調整で所得税等が清算されるので確定申告の必要はありま
せんが、確定申告を行うことで、払いすぎた税金が返ってくる場合があり、これを「還付申告」
といいます。(申告期間は、翌年の1月1日?と、1カ月半早くスタートします)

例えば、話題の「ふるさと納税」。
ふるさと納税とは、正確には「納税」ではなく「寄付」になり、都道府県や市町村に寄付すると、
寄付額から2,000円を差し引いた全額が住民税と所得税から減税される仕組みのことを言
います。
自治体からはお礼にさまざまな農作物や肉、魚介類などの「特典」が送られてくるので、「2,000円
の自己負担でお得をゲット!」と人気ですが、減税を受けるためには確定申告が必要です。
(ただし、今年からは5つの自治体までなら確定申告をしない方法を選ぶことができます)
つまり、申告しないと「お得をゲット!」出来ないのです。

還付申告で税金が戻ってくる制度で問い合わせが多いものの一つに、「医療費控除」があります。
医療費控除とは、医療費の自己負担が年間10万円を超えた場合、税務署に申告して認められ
れば、10万円を超えた分が所得から控除(最大200万円)され、それに税率を掛けた分だけ
税金が還付されることを言います。
(※総所得が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得の5%の額)

対象となる医療費は、病院や調剤薬局の窓口で支払った費用だけではなく、風邪を引いて
ドラッグストアで購入した大衆薬の代金も含まれます。

対象となるもの

対象とならないもの

ドラッグストアで買った風邪薬

健康増進のためのビタミン剤

通院のための電車やバスの運賃

通院のための自家用車のガソリン代、駐車場代

子供の成長を阻害しないための歯科矯正

美容目的のための歯科矯正

出産費用、不妊治療費

無痛分娩のための講座受講料

では、具体的にいくら返ってくるのか?

還付金額は、以下の公式に当てはめた金額になります。

還付金額=(家族全員の年間医療費?10万円)×課税所得に応じた所得税率
(年間医療費は、医療保険などから受給した保険金を差し引いた、実際に支払った金額)

家族全員の医療費ということは、扶養家族かどうかにかかわらず、生計を同じくしている家族
全員の分をまとめて申告できるということです。
なお、「生計を同じくしている状態」とは、単身赴任のお父さんや親元を離れて大学に通う子供
はもちろん、施設に入所している父母等の療養費を子供が負担している場合も、子供から
みれば、親が生計を同じくしている状態といえます。
こういった場合にまとめて申告する場合、共働きなどで夫婦ともに収入がある場合には、
高収入で所得税率の高い人に集約させた場合がいいと思います。
なぜなら、所得税率は所得が高いほど率も高いため、結果として還付される金額が大きくなる
からです。

また、「10万円を超えた金額がすべて戻ってくる」と思われている方がいらっしゃいますが、
これは間違いです。
例えば、出産費用などで医療費控除の対象となるものが50万円あったAさん。
出産育児一時金や保険会社からの保険金を引くと、残りは7万円。
10万円引いたら、医療費控除額はゼロとなり、戻ってくる税金はありません。

対して、医療費控除の対象になる物が20万円あったBさん。
保険金などの補てんがなければ、20万円から10万円を引くと、医療費控除額は10万円になり、
還付金を受けることが出来ます。

Bさんが還付を受ける金額ですが、Bさんの所得に応じて変わってきます。
・Bさんが課税所得300万円なら …… 10万円×10%=1万円
・Bさんが課税所得1800万円以上なら …… 10万円×40%=4万円
(※10%とか40%というのは、所得税の税率になります。)

国税庁:所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm

これが戻ってくる金額の目安です。
(加えて、住民税も安くなります)
なお、申告の際には原則領収書・レシートが必要なのでご注意ください。

会社員の方は毎月の給与から税金が天引きされているため、納税の意識はどうしても薄くなり
がちですが、ひょっとしたら確定申告で「お得をゲット!」出来るかもしれません。

医療費控除やふるさと納税といったお得な制度を知ることで、税を身近に感じられるはずです。
税を身近に感じられれば、消費税率アップの是非や税金の使い道などが、もっともっと自分事
として感じられるかもしれませんよ。

                                               (岡 知宏)