春は“挑戦”の季節?ホンダF-1再チャレンジに思う?

マネースクールUNOの倉田です。

春は古い物を捨て、新たなスタートや挑戦を始める季節です。

スポーツの世界も新たなシーズンがスタートします。
モータースポーツの最高峰と言われる「フォーミュラ1世界選手権(通称:F-1)」 今週
末(3/15)のオーストラリアGPを皮切りに2015年シーズンがスタートします。

世界20ヶ国を転戦、10チーム20人のドライバーが年間チャンピオンを争います。
世界中でテレビ放映等の年間視聴者数はシリーズ全20戦で延べ5億人以上! 1戦あたり
平均2500万人以上が観戦している計算です。 参戦するチームやメーカーにとっては地球規模で企業イメージ向上&技術力PRが出来る格好の舞台です。

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今年からF-1に本田技研工業(ホンダ)が4回目のチャレンジをします。
再チャレンジを決めた理由の1つは、昨年のシーズンから施行された新しい車両技術規定(レギュレーション)。 最大の変更点は1.6リッターV6ターボエンジン+モーターと
「動力エネルギー回生」と「熱エネルギー回生」の2つの発電システムを一体化させた
極めて複雑な『パワーユニット』。

使える燃料も3分の2(1レース100kg)に減らされます。 昔はエンジンが壊れた時は何回でも好きなだけ交換可能でしたが、今や1年間で使えるのは4基までに制限されます。
CO2削減や資源の有効利用など、人類に求められている環境負荷軽減という時代の
流れは、究極の性能を求めるF-1の世界でも例外ではありません。

極端にイメージするなら、F-1がエコで丈夫な「ハイブリッド車」を目指す訳です!
ただしモータースポーツは最終的に「速さ」で勝負するスポーツです。 「燃費が良く・丈夫だけど遅い」では話になりません。

勝利を手にする為には、ライバルより出来るだけ軽く・コンパクトで燃費が良くなおかつ強力なパワーが必要です。 そのためパワーユニットを供給する自動車メーカーには、非常に高い技術と開発力が求められます。

しかし、現在のF-1マシン開発には「テスト制限」と言う大きな足かせがあります。 昔は無制限だったサーキットでの走行テストが、現在は全チーム合同開催でたったの12日間と決められています。

これは自由にテストを認める事で、一部の金持ちチームが有利にならない様な工夫。 一説にはF-1のトップチームの年間総予算は500億円以上とも言われ、その高騰する参戦費用を抑えるのが目的です。

テスト規制がある為に、規則が大きく変わる年はチームとメーカーの戦略と対応力の差が出ます。 実際に新規定初年度の2014年から参戦した3メーカー(メルセデス、ルノー、フェラーリ)は、戦略と対応力の違いが結果にハッキリと出てしまいました。

4年連続年間チャンピオンを獲得していた前年王者のルノー、F-1最多参戦&最多勝利数を誇るフェラーリは新ユニット開発が上手くいかずテスト段階でトラブルが続出、年間通してパワー不足を克服できませんでした。

一方、メルセデスは2013年の選手権を早めに見切りを付け、なるべく多くの予算と技術者そして開発の為の時間を翌年のパワーユニットに注ぐ戦略を決断。 開幕前のテストから好調のメルセデスは終始ルノーとフェラーリをパワーと信頼性で圧倒。 シーズン中の大規模開発は規則で禁止されるため、3メーカーは知恵と工夫で少しずつ性能を上げる努力を重ね、最終的にパワーユニットの燃費は30%以上向上し、耐久性は前年の2倍に到達しました。

さらにシーズン終盤にはサーキットによっては前年と同程度のラップタイムまでスピードを向上させたメルセデスが2014年シーズンを完全制覇。 まさに「エコで丈夫、だけど速い!」を実現しました。

世界の大手自動車メーカーも開発に手こずった新型パワーユニットを搭載する「ハイブリッド」なF-1。 ハイブリッド車を得意とする日本の自動車メーカーが黙って見過ごす訳には行きません。

ホンダとしては、単なる企業イメージ向上や人材育成・技術の蓄積と言う意味合い以上に、何か『熱く燃えるもの!』を見出し再挑戦を決断したように思います。

ところが、開幕前のホンダの事前テスト結果はトラブル続出で散々な状態。 他メーカーのコピーをせず独自方式のパワーユニット開発に取組んだ結果の信頼性不足、すぐに上位争いに絡むのは無理でしょう。

しかし、先日今年の新車「マクラーレン・ホンダMP4-30」の展示車両を見る機会がありました。 マシンのサイドから後方に掛け絞り込まれた細身のデザインからホンダ開発陣が小型・軽量を狙って「攻めた」パワーユニット設計をしている事が伺えました。

思い起こせばホンダF-1は「無謀」とも思える挑戦の歴史です。 創業者である本田宗一郎が初めてF-1に参戦したのは50年前。 当時のホンダはやっと自動車生産をスタートさせ、日本で9番目の自動車メーカーになったばかり。 そんな弱小自動車メーカーのF-1参戦は、まるで小学生がいきなりメジャーリーグにチャレンジするような、無謀な挑戦と世界中は思ったことでしょう。

本田宗一郎は「最も困難と思われる事から挑戦する!」という哲学を社内外に示し、その後ホンダは急速に技術と名声を築き、ついに第2期挑戦で6年連続でF-1年間チャンピオンを獲得し“世界のHONDA”になったのです。

創業当時から自らチャレンジをし可能性を拡げる事がホンダのカルチャーだった訳です。 第4期の攻めのチャレンジが見事結果に結び付き、「最強」の名を欲しいままにした第2期の栄光を取り戻す事を、ファンの1人として信じています!

世界そして日本を取り巻く経済環境もどんどん変化をしています。 誰もが一生懸命働き、ちゃんと預貯金をしていれば日本人誰もが一定の幸せや安定した生活が普通に得られた時代はすでに過ぎ去りました。

「低金利」と呼ばれる普通に貯蓄していてはまったくお金を殖やせない時代になってから早くも20年以上経っています。 「失われた20年」と揶揄されるこの社会環境は自分の力だけで変えるのは非常に難しいことです。 生きにくい時代だからといって私達は自分のやりたい事、例えば結婚・子供・家・趣味やライフワークなど全て諦める事が出来るでしょうか? そんな諦め続ける人生はまっぴら御免です!

本田宗一郎は言いました「挑戦した後の失敗を恐れるより、何もしない事を恐れろ!」

この20年間多くの日本人は、ことお金については失敗を恐れ、何もしてきませんでした。
この状態を再び繰返してしまえば、多くの人が人生を諦めてしまったのと同じ結果に
陥ってしまいます。

春はスタートの季節です。 あなたも「何もしない自分」から卒業し、新たなチャレンジをしてみませんか?
(倉田壮一)

増えはじめたお給料! それどうする?

マネースクールUNOの倉田です。

私をはじめ皆さんの多くは会社等で働いて「お給料」をもらって生活をしています。
お給料の水準は、基本的には皆さんが勤めている会社の経営者や人事部が決める訳です。
ここ最近の状況はどうなっているのでしょうか?

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先日、厚生労働省から平成26年度版「賃金構造基本統計調査」という統計が公表されました。
一般労働者の基本給に相当する所定内給与は前年より1.3%増加し299万円。

詳細を見ると男性の伸び率が1.1%(329万)、女性の伸び率は2.3%(238万)と昨年は女性の基本給の方が伸び率は大きく、男女間賃金格差は男性を100とすると女性72.2と比較可能な昭和51年の調査以降で最小となり、明確な差は存在し続けていますが男女間のお給料の格差は年々縮まってきています。

昨年のお給料を金額ベースで検証すると平成10年とほぼ同水準です。
つまりこの15年間は多少上下の振れはあるにせよ、お給料の水準はあまり変わっていないと言う統計結果です。
この十数年以内に社会人になった人は「なかなか給料が上がらないな?」と感じてきた事が、そのまま数字に表れています。

しかし、昨年は13年ぶりに1%以上の伸び率でした。
これはちょうど1年前の春の労使交渉(春闘)の時に、ニュースなどに久しぶりに出てきた「ベースアップ」も寄与しています。

「ベースアップ」とは年齢などが1つ上がった結果としてお給料が増える定期昇給とは異なり、同じ年齢の人がもらう基本的なお給料の水準そのものを前年の基準に比べて底上げする事です。

今年もこの春闘が2月中旬からスタート。
自動車・電機各社の各労働組合はベースアップを6000円で統一し、要求書を出して経営者側と交渉に入ったようです。
今回は多くの企業で要求通りの「満額回答」が出るのでは!? と噂されています。

さてさて、私達のお給料水準は今年も上がるのでしょうか?

ここで皆さんに考えて欲しい事があります。
せっかく上がったお給料。
しかし人生において有意義に使えなければ、上がった意味がありません。

最近、私はお金の相談に来る若い相談者のある消費傾向を危惧しています。
それは「もらったお給料は、短期間で結果的に全て使いきってしまう」傾向です。
貯める行為をまったくせずに使い切る確信犯的な人もいますが、一度は別の預金通帳へ分けるが数ヶ月貯まった時点で「旅行いっちゃお?」と使い切ってしまう人まで含めると結構多いように感じます。

「お給料が少ないから、やりたい事の一部をやっただけでお給料が全て無くなってしまう、お給料が増えたらきっとお金を貯める余裕が出るはずだ・・・」

人は消費する事の喜びを覚え生活水準を上げてしまうと、なかなかその水準を元に戻す事ができません。
人生は永く、年を取るごとに私達の叶えたい夢や希望のお値段は上がっていく傾向にあます。
社会人になった当初は数万円の国内旅行でも満足できますが、そのうち100万円前後の車を買いたくなり、理想の結婚式&新婚旅行を挙げる為には数百万円は必要になります。
もしもマイホームを手に入れようと思えば総額3000万円や5000万円という金額が必要となります。
もはや計画的に準備をしなければ達成する事は不可能です。

しかし、もらったお給料全てを使い切る事に慣れてしまうと、貯めるクセが付きません。せっかくお給料が上がってもお金を貯める事に回せず、逆に上がったペースに合わせる様に自身の消費規模だけが拡大してしまっている人が多い様に感じます。

世の中の景気が良くなりお給料が上がる時期もありますが、現代社会は雇用そのものが不安定で、お給料もいつ会社の業績で減らされてしまうか分かりません。

企業規模別・学歴別・都道府県別の賃金構造のデータを比較しても、大企業勤務と中・小企業勤務、大学卒と短大・高校卒、都市と地方の間にはいまだに明確な賃金格差が存在し続けています。
1人1人の置かれた状況は異なります。
まさに個人単位で全てが常に変化し続ける時代なのです。

どんな社会変化が自分に訪れようと、常に自身の収支状況を把握・対応し、常に自身の貯蓄や資産を少しづつでも殖やして行ける様になれば、漠然とした将来への不安感は低減できるはず。
その為には必要なのは、お金に対する正しい知識とコツ。
そして実践していこうとする“少し”の切っ掛けと行動ではないでしょうか。

厚生労働省(賃金構造基本調査) http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

本当の意味で「100年安心」な年金って何だろう?

マネースクールUNOの岡です。

2015年4月、16年ぶりに公的年金の支給額が引き上げられます。 2014年度に比べ0.9%上昇、厚生年金を受け取る夫婦二人のモデル世帯では、受給額は22万1507円となり、2441円増える計算です。
ところが、「増えてよかった!」と、単純には喜べません。 実質的には、年金は「減った!」と考えなければならないのです。

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なぜ、もらえる年金が実質的に減るのか?

昨年1年間、消費税がアップしたこともあり、物価は2.7%上昇しました。 つまり、昨年1万円で買えていたものが、今年は1万270円出さないと買えないということです。
ところが、年金としてもらえる額が0.9%しか上がらないということは、1万円に対して90円しか増えていないということ。 1万90円では1万270円のモノを買うことが出来ない、つまり実質的に貰える年金は「減った」と考えなければならないのです。 年金は原則、物価や賃金が上がれば増え、下がれば減る仕組みです。

ではなぜ物価の上昇に比べ年金の上昇率が圧縮されているのか?

これにはおおむね2つの理由があります。
1つは「特例水準の解消」 現在の年金は、過去に物価が下がったときに行われるべき減額が不十分で、本来の水準よりも高い年金(特例水準)が支給されています。 今回は、その是正で0.5%が引き下げられるため、デフレだった過去約15年にわたって本来よりも高い水準だった状態が解消されるためです。

もう1つは「マクロ経済スライド」の実施、少子化と長寿化に伴う水準抑制になります。
マクロ経済スライドとは、そのときの社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。

保険料を納める現役世代の減少と、年金を受け取る高齢者の平均余命の伸びを年金額に反映する仕組みで、2004年の年金改正で導入されました。 現役世代の「仕送り」負担を軽くし、次世代に年金制度を引き継ぐ「切り札」とされましたが、デフレが長く続き、物価や賃金が下がったときは実施しないルールがあるため、今までは実施されませんでしたが、昨年の物価の上昇を受け、2015年度に初めて実施され、0.9%が引き下げられます。 (0.6%が少子化要因、0.3%が長寿化要因です)

厚生労働省:マクロ経済スライドってなに? http://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/finance/popup1.html

年金額は物価上昇率と賃金上昇率を比べ、低い方を適用します。 物価上昇率が総合指数ベースで2.7%、賃金上昇率は2.3%となったので、2015年度の年金額は賃金上昇分が上乗せされ、本来2.3%増となるはずでした。

ところが、「特例水準解消」の0.5%、「物価スライド」の0.9%がそれぞれ引き下げられるため、この2つのマイナスを差し引いた0.9%の上昇に抑えられたというわけです。
(賃金上昇分2.3%?特例水準解消0.5%?物価スライド0.9%=0.9%)

これは、国民年金や厚生年金など、すべての公的年金が対象となります。 この年金受給額の実質減少、年金を貰っている世代にとっては、ちょっと納得いかない事かもしれません。
ここ1年、スーパーなどでの食品の値上がりが目立ち、なんとなくインフレを意識するようになっていませんか? そんな中、インフレに見合う年金をもらえないのは、たまったもんじゃないですよね。

一方、これから年金を貰う現役世代にとっては、今の年金受給者の年金受取額が
「もらいすぎ」であることに納得がいかないかもしれません。 マクロ経済スライドは、物価が下落しているデフレ環境下では使わないルールがあったため、当初計画の2007年度からの発動は大幅に遅れ、実施まで8年もかかりました。
マクロスライドを予定通り2007年度から適用していれば、年金の支給額は現役世代の収入と比べ54%に抑制できる見通しでしたが、マクロスライドが実施されなかったため、62.7%と高止まりしています。 もし今のままの状態が続けば、今現在30歳の人は、年金を受け取れるようになっても、現役世代の収入の50.6%しかもらえないとの試算もあります。 20代や30代の人が「年金不安」を口にすることにも納得の数字です。

私は、マクロ経済スライドや日本の年金制度改革の是非を問いたいわけではありません。 私達が改めて考えなければならないのは、貰える公的年金の受給額は、時代とともに変化しているということです。
今現在、国民年金の受給額は満額で年間約78万円、ところが1980年の受給額は約50万円、デフレが長引いた日本においてでも、35年間で56%もアップしています。 にもかかわらず、年金不安が叫ばれる中、多くの方が「自分年金」と称して積み立てを行なっている個人年金保険や終身保険は、将来もらえる金額を加入時に固定している「定額型」のものが圧倒的に多いはずです。

一般的な定額型の「個人年金保険」とは、例えば毎月1万円の保険料を払い、30年後から毎年40万円を10年間にわたって受け取れるようなものです。 1万円×12ヶ月×30年間=360万円の保険料を払い、40万円×10年間=400万円を受け取ったとしても、インフレで受け取る時期の物価が上がってしまっていれば、お金は「増えた」のではなく「減った」と考えるべきです。

現時点で貰える金額を固定しまうことは、決して「安心」ではないですよ!

「100年安心プラン」 これは、政府が2004年にマクロ経済スライドを導入した年金制度改革の際に使った言葉です。 公的年金の改革は国が行うことかも知れませんが、個人年金の改革は自分自身で行うものです。
将来の物価上昇に備え、公的年金は株や債券といったものでの「投資運用」をしていますが、定額型の年金保険は、「投資運用」はしていません。

皆さん、本当の意味の安心を、再度考えてみませんか?

(岡 知宏)

 

人生はリコールできません

マネースクールUNOの倉田です。

私は自動車で山道などをドライブする事を趣味としています。
冬の間、山間部は積雪や路面凍結で走ることができませんので、ある意味で今は“冬眠”状態です。
早く春が来ないかな?

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さて、最近ニュース等で大手自動車会社の大規模リコールのニュースを目にする事が多くありませんか?

昨年はトヨタ自動車が639万台(エンジン等不具合)、ホンダ610万台(タカタのエアバック問題)。今年に入って早くもトヨタ自動車210万台(別の会社の部品によるエアバック問題)。1件1件に関わる台数が大規模化してきています。

そもそも「リコール」とは設計・製造段階を原因とする不具合に対し無償修理を行う制度。
メーカーや輸入業者等が国土交通大臣へ対称車種を届け、ユーザーに対してDMや自社のHP・ニュース・広告等で知らせます。
日本では1969年より届出が開始され、毎年大小さまざまなリコール情報が自動車メーカーのHP等で公開されていますが、国土交通省の公開資料を見ますとこの10年程で件数もそうです
が対象台数がグンと増えているのが分かります。

モノ作りの技術が衰えてきているのか?

それよりも、この10年の自動車を取巻く環境の大きな変化が影響を与えていると考えます。

1つは環境問題への対応です。
HV(ハイブリッド:トヨタプリウス)、EV(電気自動車:日産リーフ)、FCV(燃料電池車:トヨタミライ)など多種多様な「エコカー」が登場。
それらに触発され既存のガソリン車・ディーゼル車も燃費性能を年々向上させています。
新たな発明や機構の採用など“自動車技術”そのものが進化してきている印象です。
進化を支えるのは高度な電子機器と緻密なソフトウェアにより飛躍的に向上した制御技術。
その技術革新は「クルマの電子化」とも言われています。

複雑・高度化する全ての部品を自動車メーカーが独自で開発するには限界があり、多くの専門企業に外注し調達しています。
その結果、自動車主要部品のブラックボックス化が進み、故障箇所をディーラーに持って行ってもすぐに特定する事ができないケースも増えて来ているようです。

2つめはコスト削減と経営資源の効率的利用の為に考えられた設計・生産技術の革新です。自動車は車体の骨格となるフレームとそれに付随するサスペンションやエンジン・トランスミッション等の主要パーツを組合せた「プラットフォーム」に内・外装を被せて完成させます。
今の自動車は主要な“中身”の部分をグループ内の様々なブランド・車種間で共通化し、メーカーそれぞれのデザインを施した外装を載せ色々な種類の車種を効率良く生産できる様に企画段階から考慮されて、 「なるべく早く・なるべく安く・なるべく多様に」を実現させています。

この「プラットフォームの共通化」を早くから強力に推し進めているのがドイツのフォルクスワーゲングループ。
世界中で販売ボリュームが多い“Cセグメント”と呼ばれるコンパクトカークラスの代表車種である「ゴルフ」をベースにビートル・ボーラ・ティグアン、同じグループ内のアウディのA3、セアトのレオン、シュコダのオクタヴィア等々。
たった1つのプラットフォームから世界各国の好みに合わせた車種を効率的に開発・生産しています。
その結果、2015年の予測ではフォルクスワーゲングループがここ数年生産台数で世界一を維持してきたトヨタグループを抜く可能性があるとも言われています。

「より良い物をより早く、より安く」自動車作りは衰えるどころか飛躍的進化を続けています!しかし技術が進化・効率化しているのにリコールが拡大してしまうのはなぜ?

現在指摘されている問題点は、進化・効率化の為に初期の段階で起こった小さな見えにくいミスが後々大きな問題に発展しやすいと言うことです。
基礎設計の段階でのミスや部品選定段階で欠陥のある部品をチョイスしてしまうと、1メーカーの1車種の問題に留まらず、複数メーカーの複数車種に波及してしまいます。
しかもトラブル要因が電子制御部品などのより複雑なシステムを原因としていた場合、自動車メーカーだけでは解明できず、専門の外部機関の助けが必要な場合もあります。その結果、原因究明に手間取りリコール発表まで時間を要するケースがあり、大規模なリコールにつながりがちです。

時間が掛かり、対象となる台数が拡大する傾向が強まった「リコール」
数年前のトヨタ自動車の米国でのブレーキ問題の様に巨大メーカーの屋台骨をも揺るがしかねない事態を引起す可能性も出てきています。

人生におけるお金の知識もよく似ている側面があります。

多くの人が80年前後生きる時代、人生は非常に永いものです。
誰もがより良く・より楽しく・自分の望む事を全て達成できる人生を望んでいるはずです。
ただ達成する為に必要となる1つの要素は「お金」
自分自身が一生で稼ぐ事ができる金額はある程度限られる訳ですから、より効率的により有意義に殖やし使っていきたいと誰もが望みます。

しかし、基本的なお金の知識が十分に備わっていなかったり誤っていると、人生の設計段階・部品選定などの初期の段階で「ミスジャッジ」をしてしまっているかもしれません。
また、現在自分がお金について取り組んでいる内容が間違っている事を、自分自身で原因を究明しジャッジをし修正する事は非常に困難です。
自分で気付く事ができず、人生の時間が相当経過してから判明していては取返しの効かない致命傷を与える結果になる可能性があります。
多くの日本人が思いこんでいる「お金の常識」には多くの誤解が含まれています。
人生のより早い段階でお金の基礎の総点検をし、専門家の客観的なチェックをする事で防ぐ事ができます。

自動車は「リコール」で修正できますが、人生の誤りで過去った時間は「リコール」で取り戻す事はできません。
マネースクールで学び、人生計画を見直してみませんか?
(倉田壮一)

国土交通省HP 自動車のリコール公開資料 : http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/data.html

黒田投手が袖にしたMLBの年金制度と私的年金について思索。

マネースクールUNOの岡です。

2月に入り、プロ野球もいよいよキャンプインとなりました。
今年のプロ野球の見どころは、なんといってもカープの黒田博樹投手でしょう。
アメリカ・メジャーリーグ球団からの年俸約20億円のオファーを断り、年俸4億円でカープに復帰する黒田投手。

「お金じゃない!」

黒田投手が見せた男気に、カープファンならずとも「カッコいい!」と思ったのではないでしょうか?

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野球に興味のない方にとってはどうでもいい話かもしれませんが、今日は「野球選手の年金」、そして「私的年金」についてお話ししたいと思います。

アメリカ・メジャーリーグの年金制度は、ざっとこんな感じです。
・メジャーの選手登録が5年以上あれば資格が得られる
・10年以上の選手登録があれば満額受け取れる
・年金支給期間は60歳から死亡するまで
・年金受取額は、175,000ドル/年(1ドル=115円であれば、約2010万円/年)

ちなみに、イチロー選手はメジャーリーグで2001年からプレーしており、満額受給となります。

では、日本のプロ野球の年金はどうか? ざっとこんな感じ「でした」。
・10年以上の選手登録があれば資格が得られる
・2軍選手でも受け取ることができる
・年金支給期間は55歳から死亡するまで
・年金受取額は約120万円(月10万円)

この日米の年金格差を見ても、「やっぱりメジャーリーグは桁が違う」と感じてしまいすね。

ところで、先ほど「でした」と書いたのは、この日本のプロ野球の年金制度、現在は廃止されています。

そもそも、プロ野球選手は「自営業者」に当たるため、公的な年金の区分では「国民年金」を受給する立場になります。
そして、ここでいう「プロ野球の年金制度」とは、国民年金・厚生年金・共済年金などの「公的年金」ではなく、国民年金基金・厚生年金基金・確定拠出年金など、国以外の企業、各種団体が独自に運営し、公的年金に上乗せする形の「私的年金」にあたります。
そして、日本のプロ野球の年金制度は私的年金のひとつである「適格退職年金」の制度に近いものでした。
ところが、平成24年3月に適格退職年金制度自体が廃止となり、それにつれて日本プロ野球の年金制度も廃止となったのです。
この適格退職年金は、一般の企業や団体も多く加入していたので、このブログを読んで頂いている方の中にも「そういえば自分の会社の年金制度が廃止・変更になった」と思い出していらっしゃる方がいるかもしれません。

では、なぜ適格退職年金が廃止されたのか?
適格退職年金は、将来の退職金の支払いに備え、一定の掛金を計画的に外部に積み立てる「事前積み立て方式」を採っていました。
そしてこの積み立ては、一定の運用収益を見込んで行います。
この運用収益は当初予定利率5.5%という数字を用いて算出され、この数字をもとに掛金や退職金額が決まっていたのですが、低金利が継続したため実際の運用益が低下してしまいました。
必要な退職年金額を充たすためには、運用収益が低下した分、保険料(掛金)を増やさなければなりません。
そして、その保険料(掛金)は、仕組み上、会社の責任と負担で増やすしかないのですが、会社としても充分な負担が出来ず、その結果、積立金不足に陥ってしまった。
ざっくりと言えば、これが適格退職年金廃止の背景です。
適格退職年金だけでなく、私的年金の一つである厚生年金基金の解散が相次いでいるのも概ね同じ理由です。

廃止にあたって、この制度に代わるものも作られましたが、プロ野球と同じように、適格退職年金を利用していた多くの企業・団体が乗り換えをせず、資金難などを理由に企業年金をやめてしまっています。

そして、それに代わる制度の一つが、加入者である従業員自身が金融商品を選んで運用する確定拠出年金制度なのです。
確定拠出年金の詳細については、以下のUNOブログをご覧ください。

確定搬出年金 401K 関係ないですか?
http://blog.msuno.jp/2013/07/401k-9da2.html

確定拠出年金 もう少し詳しく語っていいですか?
http://blog.msuno.jp/2013/08/post-8dc4.html

なぜ、多くの企業が乗換をしなかったのか?
とある企業の年金担当者によれば、「新たな制度では資金運用リスクや加入者への運用教育などの負担が大きい。特に美容院や飲食店など個人経営企業は、その負担を嫌って廃止したケースが多いのでは?」とのことです。

適格退職年金も厚生年金基金も、完全に「おまかせ」な制度、従業員が運用について学ぶ必要はありません。
ところが確定拠出年金は、運用の指図は加入者自身が行わなければならないため、正しい運用についての知識が必要になります。

お勤めの会社で確定拠出年金に加入している皆さん、正しい運用の知識はお持ちですか?せっかくのいい制度も、運用方法を間違えてしまっては意味がありませんよ。

プロ野球の世界で、年俸数億円のスター選手であれば、将来貰える年金額はそれほど大きな問題ではないでしょう。
でも、そんな選手は全体の一握り。
日本野球機構が選手に対して行ったアンケートの結果によれば、74%の選手が「将来に不安がある」と回答しています。
平均在籍年数が8.5年と言われるプロ野球選手。
ファンを魅了する素晴らしいプレーの裏には、我々が想像する以上に「年金問題」が選手の頭をもたげているのかもしれません。

(岡 知宏)