人口が「減る」ということ

マネースクールUNOの倉田です。

総務省の人口動態調査の昨年の確定値が発表されました。

人口が年々減少しつつある事は皆さんもご存知かと思います。
日本の総人口のピークは2008年の1億2808万人。

それから4年連続減少し昨年10月時点で1億2708万人、ピーク時と比較しちょうど100万人減少したことになります。

15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」と呼ばれ、現在の社会を支える現役世代の減少率が?1.47%と大きな事も気になりますが、昨年はついに65歳以上人口(+110万人、計3300万人)が0?14歳人口(?15万人、計1623万人)の2倍以上になりました。

Kurata

そもそも人口が減るとどうなるでしょうか? 人口減少の弊害として真っ先に挙がるのが、元気に働ける世代の人数が減少しモノやサービスを生産する力が弱まる事です。

世界中の国との間で激しい経済競争が繰り広げられている時代に、国全体としてあらゆる物の生産能力が落ちてくる訳です。 国としての成長が止まってしまい、世界の中で築き上げてきた確固たる地位を維持する事が難しくなります。

2つめの弊害は、私達が日々生活している社会そのものを動かしている多くの仕組みが機能しなくなる事です。 代表的なものは年金制度や保険制度ですが、主に制度を支えるのは「働ける世代」=「お金を稼ぐ事が出来る世代」です。

お金を稼ぐ事が出来る人が多ければ多いほど、働く事が出来ないお年寄りや病気・ケガをしている困った人をより多く助ける事ができます。

日本の国民全員が何らかの公的年金・公的健康保険に加入する事が出来るような法整備がなされたのは1961年。 50年前の日本の総人口は9428万人、そのうち65歳以上人口はたったの550万人、総人口に占める割合も5.8%と20人に1人に過ぎませんでした。 ところが昨年時点の総人口に占める65歳以上人口の割合は26%、つまり4人に1人は高齢者です。 これでは今までと同じ仕組みで社会を動かし続ける事など到底出来ません。

事ある毎に皆さんの周りで口にされる「年金がもらえなくなるかも・・・」という不安の根源の1つはこの50年で起こった人口構成の激変に起因します。

さらに日本の行く末を不安にさせるのが、着実に減少を続ける0?14歳人口。 社会の根幹を担う“予備軍”である子供達が減少を続けるという事は、近い将来の「生産年齢人口」つまり働き手の減少に直結します。

この事実は、ただ単に社会を支える労働力が減少するという側面だけの問題であれば、企業で働ける年齢を引き上げる「定年延長」や、女性の働きやすい環境をつくり労働市場への「女性参画」を促進する事で代替が可能で一時的な回復は見込めます。

しかし、「将来の若き働き手が減る」事はもっと重要な事を意味します。 彼ら彼女らは成長し、やがて結婚し家庭を築き、そして子供をもうけるのです。

つまり彼ら彼女らは“次の”予備軍、まだこの世に生まれていない未来の日本人の人口
そのものを直接的に決定付けます。 そして“次の”予備軍を増やす「能力」は若い世代にしかなく、代替できるものが無いのです。

長期の見通しを考えても取返しのつかない「人口減少スパイラル」にはまりつつあるかもしれない日本。

解決策はあるのか!?

単に“労働力”だけの問題なら海外からの移民受け入れや人工知能を持ったロボット・機械の活用など、日本人以外の力を借りて不足した人手を補充する事はある程度可能になりつつあります。

イメージするなら、現在の欧州各国の状況や近未来を題材としたいくつかのSF映画で描かれた世界。 しかし、欧州では異なる文化・宗教を持った人々の大量流入が新たな対立を生み出し、度々悲しい現実を引き起こしています。

社会全体の機械化・自動化が過度に進むみ、将来は賢くなり過ぎたロボットや
コンピューターが人間の排除に動き・・・
「まさに映画『ターミネーター』の世界!」と今は笑っていられますが、もしかしたらその歴史は始まっているかもしれません。

国家や地方自治体は多くの努力をしてきましたが、現状を鑑みて目立った成果は上がっている訳ではありませんし、今後この傾向が劇的に変化する様な明確なアイデアがある様にも感じられません。 ましてや、それらの運営に中心的に関わっている決定権者の多くは65歳以上です。 残念ながら彼らにとっては「自分達の世代の問題」ではないのです。

「今、普通に生活が出来ているからこの先も大丈夫だろう」

この考え方はいつか自分自身の首を絞めるかもしれません。そうなる前にひとりひとりが自分の立場で「社会」を、そして将来の「お金」の事を考えてみませんか?

総務省統計局 人口推計 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm